2019年8月1日 小森谷浩志さん【「慈悲」与楽・抜苦がひらく新たな世界】

概要

足のおそい子やプールで水を怖がる子のことを平気で笑っていた子供たちも、やがて助け合ったり、手を貸したり、相手の立場になることを学びます。その反面成長は、人の目に臆病になる虚栄心も育ててしまい、大方の大人は、我が子や自分が 笑われていた「あの子」になることを恐れています。つまり結局のところ、人は大人になっても「あの子」のことを、相変わらず自分より下に見たままでいるのかもしれません。

 

「上なるものは下なるものが如し、下なるものは上なるものの如し」

 

人とのつながりやその期待に沿わなければ自分は認められないのではないかという恐怖心、つきまとう承認欲求からどう脱出するか。成熟した大人であることはいかにして可能か。8月の禅×経営学は、自己愛に潜むナルシシズムとエゴイズムの視点から禅における慈悲の本質を考えてみたいと思います。

小森谷さんより

長く経済論理は、人は自己利益によって動機づけられ、資本主義経済は、欲望の促進機会を提供することで機能すると説いてきました。アダムスミスの『国富論』にある有名な一節「われわれが食事を望めるのは、肉屋や酒屋やパン屋の博愛心からではなく、彼らの利益に対する関心である」が示す通りです。

 

一方、仏教でいう幸せとは、他者と比べて、より豊かになろうと欲望にまかせて得ることに躍起になるのではなく、内側を見つめ、あるがままの中に豊かさがあることへ気づくことでしょう。

 

また、大乗仏教においては、われわれもブッダになれるとしています。われわれはブッダ(悟った人)に向けて歩み続けている修行者、菩薩であるという。そこでは六波羅蜜を行ずることが必要となります。六波羅蜜の最初にあるのが布施。他に与える、利他であり、ここで慈悲がクローズアップされます。

 

チベット仏教のダライ・ラマ14世は、「自己と他者の苦しみを感じ、それを取り除こうとする深い関与」と表現します。他者だけでなく、自己へ向ける慈悲も示唆されます。今回は自尊感情や自己憐憫とはどう違うのか、自己への慈悲について探求していきます。

詳細

2019年8月1日(木)

「慈悲」与楽・抜苦がひらく新たな世界

時   間  18:30から21:00

定   員  10名程

会   場  自由が丘駅徒歩3分

          (地図は個別に記します)

参加費   ¥8,000(ペア割¥7,000)

              ¥6,000(リピーター)

 

申込みについて

①着金順に申込完了となります。

②定員までに着金がなかったときはキャンセル扱いとなります。

③参加費の返金振替は行いませんので、ご了承ください。

 

8/1は、自己への慈悲について、その次は、他者への慈悲について考えます。

お江戸百年塾

吉野真由美

小森谷浩志さんプロフィール

株式会社ENSOU 代表 ・博士(経営学)・神奈川大学経営学部国際経営学科講師・株式会社ジェイフィール コンサルタント

http://ensou.jp/

1988年ニッカウヰスキー株式会社入社、営業にてトップの業績を残した後、アサヒビール株式会社のコンサルティング会社の設立に参画、コンサルタント育成体制を構築。現在は“いのちが喜ぶ経営”をテーマに活動。自覚の方法論として東洋の智慧、特に禅の基本テキスト「十牛図」に着目。内省と対話を鍵にマネジメント·コミュニティを中核とした組織開発、個の可能性の開花にアプローチするワークショップを展開している。2010年から始めたファシリテーター養成講座は修了生が350名を越え、学習するコミュニティを継続中。カナダのモントリオールで行われたグローバルカンファレンスREFLECTIONS 2017では、世界20カ国の参加者に「禅とマネジメント」を発信、話題を呼んだ。趣味は瞑想と気功。禅と経営学、一見遠い存在の二つの探求を道楽にしている。

所属学会 日本経営診断学会、日本マネジメント学会、戦略研究学会他 。

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